今月の天文情報2026年9月

月刊くらてん 天文情報|2026年9月の星空 | 倉敷天文台
月刊くらてん 天文情報

2026年9月の星空

倉敷天文台がお伝えする、今月の夜空の見どころ

夜風が涼しくなり、外で空を見上げるのが心地よい季節になりました。 9月は「月」の月です。上旬は明け方の空で月が火星・木星と、中旬は夕空で細い月が金星と並び、 19日には金星が最大光度。そして25日は中秋の名月。 倉敷天文台では、この夜に中秋の名月 観望会を開きます。18:30〜20:30、参加無料・予約不要です。

掲載の時刻は、すべて倉敷天文台(北緯34.6度・東経133.8度)から見た時刻です。

9月25日(金)|倉敷天文台

この夜、中秋の名月 観望会を開きます

一年でいちばん美しいといわれる秋の月を、倉敷天文台の望遠鏡と双眼鏡でご覧いただきます。 月の出は17:06。観望会は18:30から20:30まで、名月がちょうど見やすい高さに昇るころです。 同じ夜、東の空には環をひらいた土星も昇ってきます。名月と土星、ふたつを一度に楽しめる夜です。

  • 18:30〜20:30
  • 参加無料
  • 予約不要
  • 曇天・雨天中止

ご予約はいりません。上記の時間内に、どうぞお気軽にお越しください。

観望会の詳細を見る

1今月の見どころ

9月7日(月)〜9日(水)明け方

月が火星・木星に接近

夜明け前の東の低空。7日はふたご座のそばで赤い火星と月が並び、9日は明るい木星に細い月が寄り添います。倉敷の9日の月の出は3:16。木星を追いかけるように昇ってきます。双眼鏡がおすすめです。

早起きして
9月14日(月)・19日(土)

金星と細い月/金星が最大光度

14日、日の入り後の西の低空で細い月が金星に寄り添います(倉敷の日の入り 18:11、見頃は18:40頃)。19日には金星が最大光度マイナス4.8等に。望遠鏡では三日月形に細く欠けた姿が見られます。

肉眼でOK
9月25日(金)

中秋の名月

太陰太陽暦8月15日の夜の月。倉敷では17:06に東の空から昇り、18時30分には高度17度、20時30分には高度38度まで高くなります。この夜、倉敷天文台で名月の観望会を開きます(18:30〜20:30)。参加無料・予約不要。望遠鏡で月の海やクレーターを、あわせて土星の環もご覧いただけます。

今月イチオシ・観望会

2今月の推しぼし

2026年9月の推しぼし

月(つき)Moon

今月の推しぼしは、やっぱり「月」です。25日は中秋の名月、27日は満月と、今月は一晩ごとに姿を変える月がいちばんの主役。せっかくの機会なので、事務局がふだん観望会でご紹介している月の基礎データを、ここでまとめてご紹介します。

  • 直径3,474km
  • 地球からの平均距離約38万4,400km
  • 明るさ(満月時)約−12.7等
大きさ
直径3,474km。地球(直径約12,742km)の約0.27倍で、惑星のまわりを回る衛星としては太陽系の中でも際立って大きな存在です。
距離
地球から平均約38万4,400km。新幹線(時速300km)で走り続けても、着くまでおよそ53日かかる距離です。光の速さでも、地球から月まで届くのに約1.3秒かかります。
明るさ
満月のときで約−12.7等。夜空でいちばん明るい天体で、今月19日に最大光度を迎える金星(−4.8等)より、さらに約7.9等級・明るさにしておよそ1,400倍も明るく見えます。
重さ
質量は約7.35×10²²kg、地球の約1.2%。表面の重力は地球の約6分の1(1.62m/s²)しかなく、月面ではジャンプすると体が大きく浮き上がります。
公転・自転
地球を一周する周期(恒星月)は27.3日。自転周期もまったく同じ長さで、常に同じ面を地球に向けています(潮汐ロック)。新月から次の新月まで(朔望月)は29.5日で、これが「ひと月」という単位の由来です。
表面環境
大気はほとんどなく、ほぼ真空の状態です。昼は約110℃、夜は約−170℃まで下がり、気温差は280℃にも達します。
誕生
いまから約45億年前、誕生したばかりの地球に火星ほどの大きさの天体が衝突し、飛び散った破片が集まってできたと考えられています(ジャイアント・インパクト説)。

豆知識:月は少しずつ地球から遠ざかっています。アポロ計画で月面に置かれた反射鏡にレーザーを当てて距離を測ると、月は1年に約3.8cmずつ遠ざかっていることがわかっています。地球との潮汐力のはたらきによるもので、100年でも約3.8mというゆっくりしたペースです。今月25日の中秋の名月と27日の満月、2晩の月を見比べながら、この身近な天体をあらためて感じてみてください。

3今月の星座

8月23日〜9月22日

おとめ座Virgo

8月23日から9月22日までの誕生星座はおとめ座です。麦の穂を手にした乙女の姿で描かれる、実りの季節をつかさどる星座。夜空では春の星座で、9月はちょうど見納めの時期にあたります。

おとめ座の性格
西洋占星術では、細やかで実直、人のために働くことをいとわない星座とされます。ものごとをよく観察し、順序立てて整えるのが得意。派手さより完成度を重んじるので、まわりが気づかない小さな不具合にも目がとまります。行き過ぎると自分にも他人にも厳しくなりがちですが、その几帳面さが結果として場を支えている——そんなふうに語られる星座です。
どんな星座か
うみへび座に次いで全天で2番目に大きい星座です。目印は青白い1等星スピカ。ラテン語で「麦の穂」、日本では「真珠星」と呼ばれてきました。北斗七星の柄のカーブをそのまま南へ延ばすと、アークトゥルスを経てスピカに届きます(春の大曲線)。この方向には銀河が1,500個以上も集まるおとめ座銀河団があり、その中心のM87こそ、2019年に人類がはじめて直接撮影したブラックホールのある銀河です。
いつ見えるのか
誕生星座は、誕生日に太陽が重なる方向にある星座です。太陽と同じ方向にあるということは昼の空にいるということなので、自分の星座は誕生日のころには見られません。見ごろは半年ほどずれます。
おとめ座の見ごろは4月から6月の宵。5月なかばには、空が暗くなるころ南の空で高度40度を超えます。9月はもう見納めで、倉敷ではスピカが1日は20:20、22日は18:57に沈みます。空が暗くなるころにはもう地平線の下なので、見るなら9月上旬の、日の入り後すぐ。10月は太陽と同じ方向に入って見えなくなり、11月なかばごろ、明け方の東の空に戻ってきます。

豆知識:この乙女は「正義の女神」とも言われています。おとめ座の乙女が誰なのかには古くから諸説あり、麦の穂を手にした姿から大地の女神デメテルとする説のほか、正義の女神アストライアとする説が知られています。人の世から正義が失われていくのを嘆き、神々が地上を去ったあとも最後までとどまった女神が、ついに天へ昇って星座になった——古代ローマの詩人オウィディウスは、そう書き残しました。そのとき手にしていた正義の天秤が、すぐとなりで輝くてんびん座だと伝えられています。いま裁判所などで天秤が公正のしるしとして使われているのも、この女神の系譜につながっています。

4今月の天文現象カレンダー

日付現象
1日(火)二百十日
4日(金)下弦
7日(月)白露(太陽黄経165度)/ 月が火星に接近
明け方の東の空。ふたご座のカストル・ポルックスの近く
9日(水)月が木星に接近
2時頃に0.46度まで接近。倉敷の月の出は 3:16、東の低空で木星を追うように昇ります
11日(金)新月(12:27)/ 天王星が留
14日(月)細い月が金星に接近
倉敷の日の入り 18:13。18:40頃、西の低空が見頃
19日(土)上弦 / 金星が最大光度(マイナス4.8等)
20日(日)彼岸の入り
21日(月)敬老の日
22日(火)休日
23日(水)秋分の日 / 秋分(太陽黄経180度)
25日(金)中秋の名月 倉敷天文台で観望会を開催します(18:30〜20:30・参加無料・予約不要)
倉敷の月の出 17:06(東・方位96度)。18時30分に高度17度、20時30分に高度38度。同じ夜、東の空には土星も昇ります
26日(土)海王星が衝
27日(日)満月(1:49)/ 月が土星に接近
中秋の名月より2日遅れての満月。名月の夜より土星に近づいています

*「留(りゅう)」は、地球から見て惑星の動きが東から西、あるいは西から東へと切り替わる、見かけ上の折り返し点のこと。惑星が実際に静止するわけではなく、公転する地球と惑星の位置関係によって生まれる見かけの動きです。「衝(しょう)」は、太陽・地球・惑星がほぼ一直線に並び、惑星が地球にもっとも近づく時期のこと。この前後は一晩中その惑星を観察でき、明るさも増すため観察の好機とされています。天王星・海王星は双眼鏡や望遠鏡向けの淡い天体で、肉眼で見つけるのは困難です。

5今月の惑星の見え方

9月に倉敷で見られる惑星は金星・火星・木星・土星の4つ。水星は見えません。
夕方の西空に見えるのは金星だけ。土星が昇ってくる時刻は月のはじめと終わりで2時間ほど変わり、上旬は20時頃、中旬は19時頃、下旬は18時半頃。ひと晩じゅう見えるようになるのは中旬からです。火星は1時頃、木星は上旬なら3時半頃・下旬は2時過ぎに昇る「明け方の惑星」です。

水星

✕ 9月は見えません

日の入り直後の西の低空にありますが、太陽との見かけの距離が近すぎて、夕焼けの明るさに埋もれてしまいます。次に見やすくなるのは秋の終わりごろです。

金星 −4.6等 → −4.8等

◎ 夕方・西の低空(日の入り30分後〜1時間)

今月いちばん明るい星。19日に最大光度を迎え、澄んだ空なら昼間の青空でも見つけられるほどです。倉敷での見頃は上旬 19:00頃/中旬 18:40頃/下旬 18:25頃。下旬になると高度が下がり、日ごとに見つけにくくなります。早めの時期がおすすめです。

火星 1.2等 → 1.1等

○ 明け方・東の空(1時頃に昇る)

ふたご座からかに座へ順行。倉敷では1日が1:09、15日が0:55、30日が0:39に東から昇ります。空が明るみ始めるまで(1日は4:12、30日は4:31)が観察の時間帯です。1等星ほどの明るさで、赤っぽい色が目印。7日には月が並びます。

木星 −1.8等 → −1.9等

◎ 明け方・東の空(上旬3時半頃/下旬2時過ぎに昇る)

かに座からしし座へ順行。先月は太陽に近く見えませんでしたが、今月から見えるようになりました。倉敷での出は1日が3:34、15日が2:53、30日が2:08と、月が進むにつれて早まります。明け方の低空でひときわ明るく輝く星です。9日には細い月がすぐそばに。

土星 0.5等 → 0.4等

◎ 今月いちばんの見ものです(上旬20時頃/下旬18時半頃に昇る)

うお座からくじら座へ逆行。今月の惑星でいちばん観察しやすいのが土星です。東の空から昇る時刻は1日が20:05、15日が19:08、30日が18:06と、月が進むにつれて早まっていきます。南の空でいちばん高くなる(南中する)のは1日が翌2:15、15日が翌1:17、30日が翌0:14。ですから、上旬は夜が更けてから、下旬なら宵のうちから狙えます。高度30度を超えてくる22時以降が見やすい時間帯です。望遠鏡で環を見るなら今月。27日には満月がすぐそばに並びます。

6今月の倉敷の日の出・日の入り

日付日の出日の入り空が暗くなる
(天文薄明終)
空が明るみ始める
(天文薄明始)
9月1日05:3818:3120:0004:09
9月5日05:4118:2619:5404:13
9月10日05:4418:1919:4604:17
9月15日05:4818:1219:3804:22
9月20日05:5118:0519:3004:26
9月25日05:5517:5819:2304:30
9月30日05:5917:5119:1504:34

倉敷天文台(北緯34.585度・東経133.772度)での計算値。「天文薄明」は太陽が地平線下18度にある時刻で、この間が最も空の暗い時間帯です。東京より、日の出・日の入りとも20分ほど遅くなります。ひと月で日の入りが43分早まり、夜が急に長くなります。

7中秋の名月を楽しむために

9月25日(金)観月のコツ

  • 見る時間と方角(倉敷)/月の出は17:06、東(方位96度)。日の入り前なので、まずは明るい空に浮かぶ月として姿を現します。18時に高度11度、19時に23度、21時に43度。低いうちの月は大きく見え、高くなるほど輪郭がくっきりします。
  • 今年は名月と満月が2日ずれます/中秋の名月は太陰太陽暦8月15日の夜の月、満月は太陽と正反対になった瞬間の月。今年の満月は27日1時49分。名月の夜の月は満月の約32時間前にあたり、左側がほんのわずかに欠けています。2日のずれは珍しく、前回は2017年、次は2043年です。
  • 望遠鏡より双眼鏡/満月に近い月は望遠鏡ではまぶしく、影が消えてクレーターが見えにくくなります。手持ちの双眼鏡で、海の濃淡や光条(明るい筋)を眺める方が楽しめます。
  • 27日も見上げてみてください/満月の夜には、すぐそばに土星が並びます。名月の夜との位置の変化がわかります。
  • 秋の空は変わりやすい/曇っていても、雲の切れ間から顔を出すことがあります。少し待ってみるのがおすすめです。
  • 倉敷天文台でご一緒に/この夜は当台でも名月の観望会を開きます。天文台の望遠鏡で月面を、双眼鏡で名月の全体を。スタッフが月の海やクレーターの見どころ、名月と満月がずれる理由もご案内します。18:30〜20:30、参加無料・予約不要。時間内であれば、いつお越しいただいてもかまいません。

8今月の観望会・イベント

特別観望会
9月25日(金)中秋の名月 観望会 18:30〜20:30
参加無料・予約不要です。時間内であれば、いつお越しいただいてもかまいません。
月の出は17:06。観望会が始まる18時30分には、月は高度17度まで昇っています。
望遠鏡で月面のクレーターや「海」の濃淡を、双眼鏡で名月の全体の姿を。この夜は土星が18:27に東から昇り、観望会が終わる20時30分には高度25度。環をひらいた姿もあわせてご覧いただけます。
今年は中秋の名月と満月が2日ずれる珍しい年です。当日はその理由もあわせてご説明します
定例観望会
毎週 火・水・木・金 日の入り30分後 〜 21:30
9月の開始時刻の目安:上旬 19:00頃/中旬 18:40頃/下旬 18:25頃
参加費
無料(倉敷天文台の見学・観望は、すべて無料でご利用いただけます)
会場
倉敷天文台(岡山県倉敷市中央2丁目19-10)
ご予約
9月25日の中秋の名月 観望会は、ご予約不要です。直接お越しください。
定例観望会は事前予約制です。下のボタンよりお申し込みください。
ご注意
曇天・雨天の場合は中止となることがあります。
また、貸切観望会やイベントの開催により、定例観望会を中止とさせていただく場合があります。あらかじめご了承ください。

入館・観望はすべて無料です。
100年の伝統を守り、この空を次の世代へ渡していく費用は、会員の皆さまに支えられています。

更新日:2026年9月19日(土星の出・南中時刻を日付別に修正) / 次回更新:2026年10月1日

現象の日付・等級は国立天文台「ほしぞら情報 2026年9月」に基づいています。 時刻はすべて倉敷天文台(北緯34.585度・東経133.772度)の位置で算出した時刻です。東京の発表値とは20分ほど異なります。 月の出・月の高度は略算値のため、1〜2分の誤差を含むことがあります。 月の基礎データ(直径・距離・質量・公転周期など)は国立天文台「天文学辞典」等の値に基づきます。 おとめ座の見え方は、倉敷天文台の位置で計算した値です。

出典:国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2026年9月)」/ 国立天文台「天文学辞典:月」