今月の天文情報2026年8月

倉敷に限定した今月の星空情報です。毎月1日発行してます。

月刊くらてん 天文情報|2026年8月の星空 | 倉敷天文台
月刊くらてん 天文情報

2026年8月の星空

倉敷天文台がお伝えする、今月の夜空の見どころ

梅雨が明け、一年でもっとも星空に親しみやすい季節です。今月は8月1日〜7日の「スター・ウィーク」に始まり、 13日には新月と重なる絶好条件のペルセウス座流星群、15日には金星が東方最大離角、 19日は「伝統的七夕」と、見どころが続きます。倉敷の夜空を、ぜひ見上げてみてください。

掲載の時刻は、すべて倉敷天文台(北緯34.6度・東経133.8度)から見た時刻です。

1今月の見どころ

8月1日(土)〜7日(金)

スター・ウィーク

「星空に親しむ週間」。1995年から続く全国キャンペーンで、各地で観望会が開かれます。夏の天の川を楽しむのに最適な時季です。

初心者向け
8月12日(水)夜 〜 13日(木)明け方

ペルセウス座流星群が極大

三大流星群のひとつ。極大は13日11時頃ですが、日本では直前の13日未明が本番。倉敷では放射点が高度20度を超えるのが12日23時頃、最も多く見えるのは13日 3時〜3時50分頃(薄明開始 3:52)です。極大日が新月にあたり月明かりの影響がまったくない、近年でも屈指の好条件。

今月イチオシ
8月15日(土)・16日(日)

金星が東方最大離角/細い月と接近

15日に金星が東方最大離角。翌16日には月齢3.4の細い月が西の低空で金星に寄り添います。倉敷の日の入りは18:52、その30分後の19:20頃、西の空を探してみてください。

肉眼でOK

2今月の推しぼし

2026年8月の推しぼし

アークトゥルスArcturus

創刊号の推しぼしは、夏の宵に西の空で高く輝くアークトゥルスです。うしかい座のα星で、オレンジ色をした全天4番目に明るい恒星。日本では麦の刈り入れのころに目立つことから「麦星(むぎぼし)」と呼ばれてきました。

  • 明るさマイナス0.05等
  • 距離約37光年
  • 直径太陽の約25倍
探し方
北斗七星の柄のゆるやかなカーブを、そのまま南へ延ばしていくと行き当たります。これが「春の大曲線」。さらに延ばすとおとめ座のスピカへ届きます。8月の倉敷では、日の入りのころ西の空の高いところにいて、1日は高度65度、31日は49度。空が暗くなるころでも30度以上をたもっています。
明るさと色
マイナス0.05等。シリウス、カノープス、ケンタウルス座α星に次いで全天で4番目に明るく、北の空に限れば最も明るい星です。肉眼でもはっきりオレンジ色に見えます。表面温度が約4,300度と、太陽(約6,000度)より低いためです。
太陽の未来の姿
直径は太陽の約25倍。中心の水素を使い果たし、ふくらんで巨星になった姿です。年齢は約70億年で、46億年の太陽より年上。太陽もいまから50億年ほど先には、こんなふうにふくらんでオレンジ色の星になると考えられています。星の未来を先に見せてくれる星です。
名前の由来
ギリシャ語の「アルクトゥーロス(熊の番人)」から。すぐ北にあるおおぐま座、つまり北斗七星を追いかけるような位置にあることに由来します。日本の「麦星」のほか、梅雨どきに見えることから「五月雨星(さみだれぼし)」の名も伝わります。
速く動く星
夜空の星の位置は変わらないように見えますが、アークトゥルスは1等星のなかでもっとも速く動いて見える星です。1年あたり約2.3秒角。1718年、ハレーがこの動きに気づき、星も動いていることがわかりました。銀河系の円盤を斜めに横切っている、少し変わり者の星です。

豆知識:万国博覧会の照明を灯した星です。1933年、シカゴ万国博覧会の開会式で、この星の光が会場の照明のスイッチになりました。望遠鏡で集めたアークトゥルスの光を光電池で受け、その電流で明かりを点したのです。前回のシカゴ万博は40年前の1893年。当時アークトゥルスまでの距離は約40光年と考えられていたので、「前回の万博のころに出発した光が、いま会場に届いて明かりを灯す」という趣向でした。いまの測定では約37光年ですから、実際に届いたのは1896年ごろの光ということになります。

3今月の星座

7月23日〜8月22日

しし座Leo

7月23日から8月22日までの誕生星座はしし座です。前足を踏み出した獅子の姿が、ほぼそのまま星のならびに見てとれる、十二星座のなかでも姿の想像しやすい星座。夜空では春の星座で、8月はちょうど太陽と重なる時期にあたります。

しし座の性格
西洋占星術では、堂々として心の大きな、人を惹きつける星座とされます。支配星は太陽。中心に立つことを自然に引き受け、頼られるほど力を発揮します。喜ばせたい気持ちが強く、身内と思った相手にはとことん面倒見がよいのも持ち味。見栄を張って苦労することもありますが、その場をぱっと明るくする華やかさが魅力、と語られます。
どんな星座か
獅子の頭から胸にかけての6つの星が、裏返しのクエスチョンマークのように並びます。これが「ししの大鎌(おおがま)」。その根もとで輝く1等星がレグルス、獅子の尾のあたりで光るのが2等星デネボラです。デネボラは、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカと結んで「春の大三角」をつくります。11月に現れるしし座流星群は、この方向から流れ星が飛び出して見えることから名づけられました。
いつ見えるのか
誕生星座は、誕生日に太陽が重なる方向にある星座です。太陽と同じ方向にあるということは昼の空にいるということなので、自分の星座は誕生日のころには見られません。見ごろは半年ほどずれます。
しし座の見ごろは3月から5月の宵。4月なかばには、空が暗くなるころ南の空で高度60度を超え、頭の上近くまで昇ります。8月はほぼ見えません。倉敷では1日こそ日の入り直後の西の低空にレグルスが高度11度で残っていますが、15日には3度、22日ごろには太陽がレグルスのすぐそばを通過します。そして9月なかばごろ、夜明け前の東の空に戻ってきます。

豆知識:ヘラクレスが最初に倒した獅子です。ギリシャ神話では、ネメアの谷に住み、矢も剣も通さない皮をもつ怪物の獅子でした。英雄ヘラクレスは12の難業の第一としてこれに挑み、武器が効かないと見るや素手で組み伏せ、その皮を身にまとって次の戦いへ向かったと伝えられます。空に上げられた獅子の心臓の位置で輝くのが、1等星レグルス——ラテン語で「小さな王」。太陽の通り道(黄道)のすぐそばにあるため、ときおり月に隠される、数少ない1等星のひとつでもあります。

48月の天文現象カレンダー

日付現象
2日(日)水星が西方最大離角
日の出30分前(倉敷で 4:45〜4:50頃)の高度は、1日〜5日が10度をわずかに超え、8日ごろまで見つけやすい状態が続きます
6日(木)下弦
7日(金)立秋(太陽黄経135度)
11日(火)山の日
13日(木)新月 / 11時頃、ペルセウス座流星群が極大(倉敷での見頃は 13日 3:00〜3:50、1時間に35個程度・月の条件は良い)
同日、皆既日食(日本では見られません)
15日(土)金星が東方最大離角
16日(日)細い月(月齢3.4)が金星に接近
倉敷の日の入り 18:52。19:20頃、西の低空が見頃
19日(水)伝統的七夕
上弦の2日前。半月より少し細い月とともに、昔ながらの七夕の空を楽しめます
20日(木)上弦
22日(土)ごろ太陽がしし座のレグルスのすぐそばを通ります
しし座生まれの方の誕生星座が、いま太陽と同じ方向にあるということです(もちろん見えません)
23日(日)処暑(太陽黄経150度)
28日(金)満月 / 水星が外合
同日、部分月食(日本では見られません)

5惑星の見え方

水星 0.3等 → −0.5等

日の出前の東の低空。2日に西方最大離角。倉敷では4:45〜4:50頃(日の出30分前)が狙い目。高度は1日〜5日が10度を少し超え、8日ごろまでは10度前後です。その後は高度を下げ28日に外合。以後は夕方の西空へ。

金星 −4.3等 → −4.6等

日の入り後の西の低空で群を抜いて明るく輝きます。15日に東方最大離角。倉敷では19:20〜19:30頃が探しやすい時間帯。「宵の明星」の見頃です。

火星 1.3等 → 1.2等

おうし座からふたご座へ順行。倉敷での出は1日が1:43、15日が1:27、31日が1:10。日の出前の東の空に、1等星ほどの明るさで見えます。

木星 観察は困難

かに座を順行中。月のはじめは太陽とほぼ同じ方向にあり、観察はできません。ただし倉敷での出は1日が5:04、31日には3:37まで早まり、月末には明け方の東の低空に姿を見せ始めます。本格的に見えるようになるのは9月からです。

土星 0.6等 → 0.5等

うお座を逆行中。東の空から昇る時刻は1日が22:10、15日が21:14、31日が20:09と、ひと月で2時間も早まります。南中は1日が翌4:21、31日が翌2:19。上旬は真夜中すぎ、下旬なら夜半前から東〜南東の空で見やすくなります。望遠鏡での環の観察におすすめ。

6倉敷の日の出・日の入り

日付日の出日の入り空が暗くなる
(天文薄明終)
空が明るみ始める
(天文薄明始)
8月1日05:1519:0720:4503:37
8月8日05:2019:0020:3603:45
8月13日05:2418:5520:2903:50
8月16日05:2618:5220:2503:53
8月20日05:2918:4720:1903:57
8月28日05:3518:3720:0604:05
8月31日05:3718:3320:0204:08

倉敷天文台(北緯34.585度・東経133.772度)での計算値。「天文薄明」は太陽が地平線下18度にある時刻で、この間が最も空の暗い時間帯です。東京より、日の出・日の入りとも20分ほど遅くなります。

7流星群を楽しむために

ペルセウス座流星群 観察のコツ

  • 見る時間(倉敷)/12日は21時頃から流れ始めますが、放射点が高度20度を超えるのは23時頃から。数が増えるのは日付が変わってからで、ピークは13日 3:00〜3:50(3:52に空が明るみ始めます)。13日夜〜14日明け方も、同じく3時台に1時間30個程度が期待できます。
  • 見る方角/決めなくて構いません。流星は空全体に現れます。なるべく広く空を見渡してください。
  • 目を慣らす/屋外の暗さに目が慣れるまで、最低15分は観察を続けましょう。
  • 楽な姿勢で/レジャーシートに寝転ぶか、背もたれを倒せる椅子があると快適です。
  • 安全とマナー/私有地や道路に立ち入らず、周囲へのライト・話し声にご配慮ください。

88月の観望会・イベント

定例観望会
毎週 火・水・木・金 日の入り30分後 〜 21:30
8月の開始時刻の目安:上旬 19:35頃/中旬 19:25頃/下旬 19:10頃
参加費
無料(倉敷天文台の見学・観望は、すべて無料でご利用いただけます)
会場
倉敷天文台(岡山県倉敷市中央2丁目19-10)
ご予約
事前予約制です。下のボタンよりお申し込みください。
ご注意
曇天・雨天の場合は中止となることがあります。
また、貸切観望会やイベントの開催により、定例観望会を中止とさせていただく場合があります。あらかじめご了承ください。

入館・観望はすべて無料です。
100年の伝統を守り、この空を次の世代へ渡していく費用は、会員の皆さまに支えられています。

公開日:2026年8月1日 / 更新日:2026年9月19日(惑星の出・南中時刻と日の出入り表を再計算)

現象の日付・等級は国立天文台「ほしぞら情報 2026年8月」に基づいています。 時刻はすべて倉敷天文台(北緯34.585度・東経133.772度)の位置で算出した時刻です。東京の発表値とは20分ほど異なります。 流星数は空の暗い場所で観察した場合の目安で、市街地では数分の1になることがあります。 アークトゥルスの基礎データ(距離・直径・年齢など)は国立天文台およびNASAの公表値に基づきます。しし座・アークトゥルスの見え方は、倉敷天文台の位置で計算した値です。

出典:国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2026年8月)」